BUSINESS

土木構造物維持管理/
技術開発支援業務

土木構造物維持管理/
技術開発支援の事業内容

既設構造物の維持管理は、鉄道の安全・安定輸送の根源であり、当社の重要な業務の一つとなっています。
橋りょう、トンネル等の土木構造物をはじめ、沿線近傍の斜面・渓流など、幅広い分野を対象とし、現況調査や計測を行い、データ分析、考察、必要に応じて解析を行い、総合的に診断し、今後の維持管理方法の提案を行っています。
また、構造物の維持管理を効率的・効果的に行っていくことを目指した技術開発の支援や、
これまでに経験の無いリニア中央新幹線の新たな鉄道事業における技術開発など、
次世代に向けて発展するためにJR東海が行うさまざまな技術開発の支援も行っています。

土木構造物維持管理業務

土木構造物の耐力や劣化の調査を行い、土木構造物の補修・補強対策を提案。また、航空写真などから地形図を作成・分析し、鉄道施設の防災資料を作成しています。

構造物健全度調査

構造物の状態を調査する手法の一つとして、衝撃振動試験というものがあります。ラーメン高架橋の橋脚や梁に衝撃を与え、発生した振動波形を解析することで、構造物の固有振動数を求めます。構造物の固有振動数を別途解析により求め、比較分析することにより、構造物の状態を把握したり、補強対策前後の固有振動数の比較から補強効果を確認したりすることができます。

橋りょう河床調査

河川の橋脚基部の状況は外観からは確認することが困難です。そこで地上レーザースキャナを用いて点群データを取得することで、橋脚基部の洗堀状態を確認しています。

トンネル覆工調査・
トンネル検査補助作業

トンネルは、地山の様子を目視で確認することができないため、トンネル覆工の状態から、トンネルの状態を予測する必要があります。定期的にトンネル内空の状態を検査し、新たな変状や進行性のある変状が無いかを確認しています。

斜面・渓流調査

沿線近傍の斜面・渓流の落石、崩壊、地滑り、土石流、土砂流出は、列車の安全輸送に支障をきたします。そこで、定期的に現地踏査を行い、経年変化を把握しています。

その他の事業内容

地すべり地形継続監視

跨線道路橋点検

高架橋の耐震評価

構造物検査管理

騒音・振動測定 など

技術開発支援業務

鉄道事業に携わった技術者のノウハウを活かし、JR東海が行う次世代を担う鉄道輸送サービスのための技術開発に取り組んでいます。

リニア中央新幹線構造物の技術開発支援

リニア中央新幹線構造物は前例の無い条件に対して、要求性能を満足する必要があります。そのため、想定される条件に対して、FEM解析や実物大試験を実施し、あらゆる条件下でも安全であることを確認しながら技術開発を行っています。

新幹線・在来線構造物の維持管理に関する技術開発支援

トンネルは背面が地山であるため、内空側表面より得られる情報に基づき検査・診断を行わなければなりません。上図はトンネル内空の振動モードに基づく診断方法の技術開発の例です。
鉄道構造物は、同時期に施工されたものが多いため、複数の構造物において同時に変状が生じるケースが多いのが特徴です。また、構造種別毎に検査方法が異なります。新幹線・在来線構造物の維持管理に関しては、効率的かつ適切に構造物の検査・診断を行うため、JR東海の技術開発の取組に対して、技術支援を行っています。

WORK FLOW 業務の流れ

検査はその場で判定できるものもありますが、変状箇所や進行程度によっては、
さらに詳細な調査や測定が必要な場合もありますし、早急に措置を講じる必要があることもあります。
日々の検査は遠方目視により行います。その中で、詳細な検査が必要な個所については、
近接目視調査や非破壊検査、ひずみ測定などを行います。
その結果に基づき診断を行い、措置を講じていきます。
また変状発生の要因についても特定し、措置を講じる必要があるため、データ分析やシミュレーション解析を行います。

目視調査、検査車両を用いた簡易な検査

桁下からの遠方目視による橋りょう調査

トンネラスによるトンネル覆工変状検査

近接目視調査、
非破壊検査、ひずみ測定

トンネル覆工面の近接目視調査

高所作業車による高架橋の近接目視調査

沓(支承)の健全度調査

ひずみ計測状況

データ分析・シミュレーション解析による要因分析

高架橋張り出し部のFEM解析

トンネル覆工断面のFEM解析

その他の調査

河床測量調査

渓流調査

災害復旧調査

斜面調査

3次元点群測量調査

騒音・振動調査

ICT

多様なニーズに応える
ICTへの取り組み

土木構造物維持管理/技術開発支援業務ではより精密な調査結果を出し、これまで以上に安全な土木構造物が建築できるよう
「点群データ」等を活用し、ICTに取り組んでいます。

点群データ

3Dレーザースキャナーを使い、計測したい対象物にレーザーを放射線状に照射。対象物の表面形状の3次元座標を収集することで高密度な点群データを取得でき、高精度な土量算出や図化の効率化が図れます。また、傾斜地や危険な場所に立ち入る必要がなく、計測を安全に行えることも点群データを活用するメリットといえます。

トンネル覆工変状検知装置によるデータの取得

トンネル覆工変状検知装置(トンネラス)は、車載型のモバイルマッピングシステムとも言い換えることができ、トンネル内を低速で走行しながら覆工面の点群データを計測します。

航空レーザー測量によるデータの取得

地形など広域のデータを取得したい場合には、飛行機に搭載したレーザースキャナにて上空から地上を俯瞰した点群データを計測します。

携帯型レーザースキャナによるデータの取得

据置型のレーザースキャナの設置が困難な狭隘箇所やスピーディに計測を行いたい場合には、バックパック型やハンドヘルド型など携帯性に優れたレーザースキャナを用いて点群データを計測します。

GIS(地理情報システム)

地理情報システム(GIS)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。
GISをベースとしたICTの活用によりJR東海と連携し、システム構築の提案や受注拡大に努めています。施設、電気、車両などそれぞれの技術系統が蓄積してきた多種多様な情報をGISに結び付け、系統間を越えた横断的なデータの相互利用による業務効率化を目指しています。

360°カメラ画像

駅構内の360°画像を取得し、駅設備の位置把握など設備管理に活用しています。また、画像の中に情報や電子化した書類等を紐付けることで、協議の場など合意形成において視覚的な情報の共有が可能です。

ドローン

手のひらサイズの小型ドローンを用いて天井裏の調査を行います。従来では足場や高所作業車等の設備が必要でしたが、小型ドローンを活用することでそれらの設備が不要となるほか、人が入れない狭隘な箇所も調査することが可能となります。

フォトグラメトリー

フォトグラメトリーとは、物体を様々なアングルから撮影した写真をコンピューターで解析し、立体的な3Dモデルを作成する技術です。フォトグラメトリーは3Dレーザースキャナーのような専門的な機器が不要で、フィギュアのような小さなものから、建築や都市といった大きなものまで3Dモデルにすることができます。
一般的には測量や地形調査、史跡保護などの専門的な分野でも使用される技術ですが、最近ではゲーム制作でも活用されています。

CAREER PATH

成長までの流れ

  • 入社1年~2年目

    ・上司、先輩社員の業務サポートを受けながら業務の流れや、
    現場作業の手順等、構造物の維持管理、技術開発手法等の基礎を学ぶ。

    調査技術の基本を習得
    技術開発手法の基本を習得
    JR東海通信研修修了:土木Ⅰ、土木Ⅱ
  • 入社3年~4年目

    ・構造物の維持管理業務や技術開発業務の現場作業を自ら主体的に実践して、技術を習得する。

  • 入社5年~

    ・担当業務において業務計画を自ら提案し、工程管理、現場監督を自ら行い、業務を遂行できる。